(スマホ対応)   最終更新日:  2014/07/06    

 5月8日に逝去されました。 心より哀悼の意を表します。

 (享年88歳)


 吉田先生の訃報を受け取ったのは5月22日でありました。
7月5日に開催予定の悟空会(59期生の同期会)で お会いできることを 楽しみに
しておりました。 また、折を見てご自宅を訪問する計画も立てていた 矢先のこと
です。 大変 残念で 悲しい結果となってしまいました。


先生には、我々が卒業した1962年にH組の担任として 大変お世話になりました。
主に現代文を教えて いただいたわけですが、特に、日本語の使い方、言葉に込めら
れた 深い意味を 考えるチャンスを与えていただいたことを 感謝している次第です。

 先生は、その日本語の大切さを俳句を通じて 多くの方に知ってもらいたいと 俳人
加藤楸邨の門下生として活躍されておりました。
俳号を持たず、吉田輝二の本名で 多くの俳句を発表して、いくつも俳句歳時記に
取り上げられました。 我々の卒業アルバムにも 先生のお写真に ご自作の
俳句が添えられています。

「輝きて 冬の欅(けやき)は 根瘤(こぶ)締む」 すっと、読み手の心に入ってきて、
 身の引き締まる思いを 与える句であると思います。
 その他、歳時記に載せられた 俳句の中から 二つほど 独断で取り上げてみますと
「能面に 血の通ひ出す 雪の夜」
「寒鯉や 動き一閃 紅散らす」  などがあります。
いずれも冬の季語を含むものを紹介させて いただきましたが、
それも アルバムの句のイメージが 強烈であったことが 起因しています。

 これほど、言葉の意味を大切にされていた先生が、数年前に奥様がお亡くなりになった
後の悟空会に参加され、その悲しみをお話になった時、先生のお体から飛び散った
言葉の激しさは我々を圧倒しました。  その言葉は小さな真珠の球となり
会場を埋め尽くしたように 私は感じました。


 授業では、背筋を伸ばした凛としたお声の素晴らしい講義をして いただいたと
記憶しております。
先生! 有難うございました。 奥様と ご一緒に ゆっくりお休みください。

伴田 稔 (59回 H組)